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【税理士監修】税金対策には中古車の購入がおすすめ!節税できる理由から注意点まで解説

税金 対策 車 アイキャッチ画像

個人事業主や法人が社用車を購入することで、大きな節税効果を得られる場合があります。
ただし、節税目的だけに購入してしまうと損をする場合もあるため、正しい知識を身に付けたうえで税金対策を行うことが重要です。

本記事では、車を用いた税金対策の方法注意点を中心に解説します。
車の購入や買い替えを検討している方は、ぜひ参考にしてください。

監修者(吉本貴幸)<この記事の監修者>

吉本 貴幸(よしもと たかゆき)
税理士法人吉本事務所
代表社員 税理士・行政書士

大学卒業後、1998年に現在の税理士法人の前身である個人税理士事務所に入所。2021年10月より現職。法人、個人事業のクライアントや相続税、贈与税の申告に関わる一方、税理士法人関連会社の社会保険労務士事務所、行政書士事務所、保険代理店のマネージメントにも携わる。経営に関する総合的な知識のもと、税務申告のみならず、事業運営・起業・法人設立のアドバイスも得意とする。税理士法人関連7サイトの総編集長・監修者として、最新の税務情報発信に務めている。

個人事業主や法人が車の購入で節税できる理由

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個人事業主や法人が税金対策として車を購入する理由は、社用車を購入して取得費や維持費を経費計上すれば課税所得が抑えられるからです。

個人事業主や法人が支払う所得税法人税は、1年間の収入から必要経費などを差し引いた課税所得に応じて納税額が算出されます。
所得税と法人税では税率や区分は異なるものの、課税所得が多いほど税額も高くなる点は同じです。

そのため、個人事業主や法人が節税するには、課税所得を抑える必要があります。
社用車の取得費や維持費を計上すれば経費が大きくなる分、課税所得は小さくなる仕組みです。

ただし、車を購入すると実際に取得費や維持費が必ず発生するので、節税目的だけに車を購入してしまうと税金対策以前に損をする場合もあります。
車を用いた税金対策には正しい知識が求められるため、税に対する知識を深めましょう。

節税するなら知っておくべき減価償却

個人事業主や法人が車を購入すると、取得費に対して減価償却を行います。
減価償却とは、固定資産の取得費を耐用年数で分割して計上することです。

また、減価償却の償却方法には、「定額法」と「定率法」の2種類があります。
それぞれの特徴と計算方法は以下の通りです。

定額法原則として毎年同額の減価償却費を計上する方法
固定資産の取得価額×定額法の償却率
定率法初年度に多額の減価償却費を計上して徐々に償却額が減少する方法
未償却残高×定率法の償却率

税金対策として車を購入する際は、初年度に多額の減価償却費を計上できる定率法を選択するとよいでしょう。
なお、原則的には個人事業主は定額法で、法人は定率法が適用されます。
個人事業主が定率法を選択する場合は、変更したい年の3月15日までに所轄の税務署に申請書を提出する必要があるので、忘れずに手続きを行いましょう。

サラリーマンにも節税効果はある?

次に、サラリーマンが車を購入する場合の節税効果を「副業をするサラリーマン」と「副業をしていないサラリーマン」に分けて解説します。

副業をするサラリーマン

副業により給与所得以外の収入があるサラリーマンは、車の購入により節税効果を得られる場合があります。
副業で車を使用している場合は、個人事業主や法人と同じく取得費や維持費を経費に計上できるためです。

ただし、経費に計上できる費用は事業に必要な支出に限られるため、車を自家用と事業用で兼用している場合は副業で使用している分の費用しか経費に認められません。

なお、サラリーマンでも節税目的だけに車を購入すると損をする場合もあるので、無計画に購入することは避けましょう。

副業をしていないサラリーマン

副業をしていない一般的なサラリーマンは、車の購入による節税効果は得られません。
なぜなら、勤務先から受け取る給与所得からは必要経費が差し引けず、車を購入しても課税所得は抑えられないからです。

代わりに、給与取得者には「給与所得控除」と「特定支出控除」の適用があります。
給与所得控除とは、収入に応じて一定の金額が控除される制度で、特定支出控除とは、特定支出の合計額が給与所得控除額の半分(最高125万円)を超える場合に、超えた部分が控除される制度です。

車の取得費は特定支出に該当しませんが、通勤に車を使用している場合はガソリン代や有料道路代などが認められる場合もあります。

サラリーマンや会社員など個人ができる税金対策を知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
個人ができる税金対策について紹介

税金対策には新車より「中古車」がおすすめ

電卓と赤い車とお金

税金対策として車を購入するなら、新車より中古車のほうが適しています。
車をはじめとする固定資産を購入した場合は減価償却を行いますが、新車と中古車では減価償却に用いる耐用年数が異なるためです。

耐用年数は資産ごとに細かく定められており、中古車は新車より短く設定されています。

区分 耐用年数新車
新車 普通自動車 6年
軽自動車 4年
中古車 法定耐用年数の全部を経過した資産 法定耐用年数の20%に相当する年数
法定耐用年数の一部を経過した資産 (法定耐用年数-経過した年数)×経過年数の20%

※中古車の場合は1年未満の端数は切り捨て、年数が2年に満たない場合は2年

また、耐用年数が短いほど償却率は高くなります。

耐用年数定率法の償却率
2年1.000
3年0.667
4年0.500
5年0.400
6年0.333

※平成24年4月1日以降取得

耐用年数と償却率を考慮すると、税金対策には中古車のほうが適していると言えるでしょう。

「4年落ちの中古車」は節税効果が高い

中古車の中でも、4年落ちの普通自動車を購入するとより高い節税効果が得られます。
なぜなら、定率法を選択している場合は車の取得費全額を今年度分の経費として計上できるからです。
たとえば、4年落ちの中古車を200万円で購入した場合の減価償却を確認してみましょう。

まずは、中古車の耐用年数を算出します。

6(法定耐用年数)-4(経過年数)+0.8(経過年数の20%)=2.8

1年未満の端数は切り捨てるので、耐用年数は2年です。

次に、定率法の計算式を用いて減価償却費を算出します。

2,000,000(未償却残高)×1.000(定率法の償却率)=2,000,000

※正確には備忘価額1円を残すので、1,999,999円が減価償却費となります。

先述の通り、定率法を選択している場合は取得費全額を今年度分の経費として計上できるため、より高い節税効果を得たい場合は4年落ちの中古車を購入しましょう。

ただし、減価償却費は使用月数に応じて計上するため、決算月に近付くほど計上できる償却費は少なくなる点に注意が必要です。
取得費全額を計上したいなら、期首に購入しましょう。
たとえば、12月決算で1月に購入すればその購入の年は年分の12/12の償却、10月に購入すれば3/12の償却となります。

また、中古車の購入後に修理または改造費用が新車価格の50%を超えた場合は、新車の耐用年数が適用される点にも注意してください。

カーリースを利用する場合の節税効果は?

税金のイメージ

カーリースを利用する場合は、月額料金の全額を経費として計上できます。
月額料金には各種税金や保険料などが含まれ、まとめて計上できる点がカーリースのメリットです。

ただし、リース契約終了後に車をリース会社に返却する「所有権移転外型ファイナンス・リース取引」である場合は、定率法を選択していても「リース期間定額法」が適用されます。
車を購入した場合より計上できる金額自体は定率法よりも少なくなるため、大きな節税効果は得られないでしょう。

自家用車を社用車に転用する方法も節税に有効

上を指差した手

税金対策として車を購入する以外に、個人の自家用車を社用車に転用する方法もあります。
購入費用の確保が難しい場合は、検討するとよいでしょう。

ただし、取得費として計上できる費用は、自家用に使用していた期間分の減価償却費相当を差し引いた金額と定められています。
また、自家用と事業用で兼用する場合は、事業で使用している分の費用しか経費に認められない点にも注意しましょう。

法人の場合は、個人から法人への名義変更も必要です。

税金対策として中古車を購入する際の注意点

事務作業

ここからは、税金対策として中古車を購入する際の注意点を解説します。

事業に必要な車を購入する

車の購入によって高い節税効果を得られる場合があるとはいえ、経費に計上するには事業に必要な車であることが前提です。
車を購入すると取得費や維持費が必ず発生するため、一時的に節税できたとしても事業で使用しないなら意味がありません。

まずは、車を購入することでどれほどの効果が生じるかをよく検討しましょう。

車の維持費を把握しておく

社用車を購入すると維持費の多くは経費に計上できますが、維持費自体を抑えることも重要です。
経費に計上できる維持費には、以下が挙げられます。

・各種税金
・各種保険料
・ガソリン代
・駐車場代
・車検費用
・メンテナンス費用

また、外国車は社用車としても人気があるものの、メンテナンス費用が高くなる傾向にあります。
中古車を購入する際は、維持費が安いかどうかも考慮して選びましょう。

価値が落ちにくい車を選ぶ

税金対策として中古車を購入する際は、売却することも見据えて選ぶとよいでしょう。
車を購入して節税できたとしても、購入時と売却時の費用に大きな差が生じると損をしてしまうためです。

一般的には人気の高い車種やカラー、オプション搭載の車は価値が落ちにくい傾向にあります。

購入するタイミングが重要

先述の通り、決算月に近付くほど計上できる償却費は少なくなるため、中古車は期首に購入しましょう。
たとえば、4年落ちの中古車でも会計期間の中間で購入すると、取得費の半分しか計上できません。
タイミングを誤れば節税効果は薄くなるため、計画的に購入することが重要です。

ローンの返済額は経費計上できない

一括購入でもローンでも、減価償却に影響はありません。
ただし、ローンの返済額は経費に計上できないため、余裕があるなら一括購入がおすすめです。
利子の分は計上できますが、実際に手元からお金が出ていくことを理解しておきましょう。

【Q&A】税金対策に関するよくある疑問

Q&Aのイメージ

ここからは、税金対策に関するよくある疑問に答えます。

税金対策に高級車を購入してもいい?

税金対策として高級車の購入を希望する方もいますが、車種を選ぶ際は収入や経費、納税額などから総合的に判断する必要があります。
高級車を購入したことで事業資金が圧迫されては、節税以前の問題が生じるためです。

車以外に有効な税金対策はある?

車以外にも、有効な税金対策はあります。
ただし、個々の状況によって適した方法は異なるため、実用的かつ効果的な税金対策に取り組みたいなら税理士のサポートが必要です。

4月に車を購入した場合の自動車税は?

自動車税は4月1日時点で車を所有している場合に課されるため、4月1日以降に購入した場合は翌月から翌年3月までの分を支払います。
税額は排気量に応じて決まるため、新車も中古車も差はありません。

税金対策のご相談は「税理士法人吉本事務所」まで

私たちがサポートいたします

税理士法人吉本事務所には税理士をはじめ、社労士行政書士保険外交員が在籍しており、各スペシャリストの連携によって総合的かつ効率的なサポートを行います。
社用車の購入または買い替えなど個々の状況に合わせて、最適な税金対策のご提案が可能です。

個人のお客様から法人のお客様まで幅広く対応しておりますので、税に関するお悩みはぜひ税理士法人吉本事務所までお気軽にご相談ください。

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まとめ

個人事業主や法人が社用車を購入すると取得費や維持費を経費に計上できるため、税金対策として有効な場合があります。
より大きな節税効果を得たいなら、新車より中古車がおすすめです。

ただし、個々の状況によって適した税金対策は異なるため、実用的かつ効果的な税金対策に取り組みたいなら税理士のサポートを受けるとよいでしょう。

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