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コラム

不動産投資の税金対策を税理士がわかりやすく解説《4つの節税効果》とその仕組みとは?

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不動産投資は、税金対策と資産形成の両面で有効な投資方法です。
とはいえ、「どのような仕組みで節税できるのか」「どのような節税効果があるのか」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

本記事では、不動産投資における4つの税金対策を解説します。
節税効果や仕組みから注意点まで詳しく解説するので、不動産投資を検討している方はぜひ参考にしてください。

監修者(吉本貴幸)吉本 貴幸(よしもと たかゆき)
税理士法人吉本事務所
代表社員 税理士・行政書士

大学卒業後、1998年に現在の税理士法人の前身である個人税理士事務所に入所。2021年10月より現職。法人、個人事業のクライアントや相続税、贈与税の申告に関わる一方、税理士法人関連会社の社会保険労務士事務所、行政書士事務所、保険代理店のマネージメントにも携わる。経営に関する総合的な知識のもと、税務申告のみならず、事業運営・起業・法人設立のアドバイスも得意とする。税理士法人関連7サイトの総編集長・監修者として、最新の税務情報発信に務めている。

不動産投資における4つの税金対策

計算するイメージ

不動産投資には、「所得税・住民税」「相続税」「贈与税」「法人税」と4つの節税効果があります。
まずは、不動産投資で節税できる仕組みを解説します。

1.所得税・住民税が節税できる仕組み

不動産投資のために購入した物件の費用は、減価償却のもと必要経費として計上します。
減価償却とは、購入費用を法により定められた耐用年数で分割して計上することです。
減価償却費の計上によって赤字が発生すれば、損益通算」で給与所得と相殺できます。

所得税・住民税は、収入金額から必要経費や所得控除を差し引いた残りの金額に税率が適用されるため、給与所得から赤字分の金額を控除することで所得税・住民税が節税できる仕組みです。

また、青色申告を選択している場合は、相殺しきれない部分を最大3年まで繰り越せます。
とはいえ、不動産投資による節税効果は一時的で、初年度は高い効果を得られても長期的には続かない点を留意しておきましょう。

2.相続税が節税できる仕組み

不動産を相続した場合は、「相続税評価額」をもとに納税額を計算します。
相続税評価額とは、法により定められた評価方法によって計算された価値のことです。
一般的に不動産は現金よりも評価額が低いため、現金ではなく不動産を相続したほうが節税面で有利な場合があります。

また、賃貸用の物件を購入したり「小規模宅地の特例」を適用したりすれば、さらに評価額を下げられるので、より大きな節税効果を求めるなら事前の対策が重要です。
相続税の節税に加えて家賃収入を得られるメリットもあるため、相続資産がある場合はできるだけ早く税理士に相談したほうがよいでしょう。

3.贈与税が節税できる仕組み

今後、所有している不動産の価値が上がると予想される場合は、「相続時精算課税制度」を適用した生前贈与によって相続する場合よりも節税できる場合があります。
相続時精算課税制度とは、原則として60歳以上の父母や祖父母などから18歳以上の子または孫などに対して、財産を贈与する場合に選択できる制度のことです。

1年間の贈与を受けた財産の合計額から上限2,500万円の特別控除額を差し引いた残りの金額に、一律20%の税率を適用して贈与税を計算します。
そのうえで贈与者が亡くなった際に、贈与を受けた財産の価額と相続や遺贈により取得した財産の価額を合計した金額をもとに、相続税を計算する流れです。
贈与を受けた際に納めた贈与税相当額を差し引いて計算され、相続税額から控除しきれない場合は還付を受けられます。

要するに、贈与を受けた財産の価額は贈与時の価額が適用されるため、価値が上がると予想される不動産を所有している場合は贈与税と相続税ともに節税できる仕組みです。
生前贈与を検討するなら、早めに税理士へ相談しましょう。

4.法人税が節税できる仕組み

法人税は益金から損金を差し引いた残りの金額に、法人の種類や規模に応じて15〜23.4%の税率が適用されます。
所得税より税率の変動が小さいため、個人が法人化することで節税できる場合があります。
具体的には、家賃収入が安定して課税所得が800~900万円を超えるタイミングが法人化の目安と言えるでしょう。

とはいえ、条件次第で一概には言えないため、税理士に相談しながら検討することが重要です。
また、法人が青色申告を選択している場合は、相殺しきれない部分を最大10年まで繰り越せます。
節税効果が高いほか、「経費の範囲が広がる」「社会的信用度が上がる」などもメリットです。

サラリーマンも節税効果は得られる?

サラリーマンも、不動産投資による上記の節税効果は得られます。
とはいえ、所得が少なければ節税効果も小さくなる点には注意が必要です。

サラリーマンができる税金対策は限られるため、年収が1,200万円を超えるなら資産形成を兼ねて検討するとよいでしょう。
また、不動産投資は資産の贈与相続を考えている場合にも有効です。

不動産投資による節税シミュレーション

お金

サラリーマンを例に、減価償却損益通算を簡単にシミュレーションします。
あくまでも流れを理解しやすくするためのイメージですので、ご注意ください。

1.不動産投資の必要経費を確認する
不動産投資の必要経費は、減価償却費、固定資産税、損害保険料、修繕費などが挙げられます。
このうち減価償却費は、物件の購入費用を耐用年数で分割して計算します。
たとえば、「購入費用が6,000万円」で「耐用年数が47年」の建物を購入した場合は、60,000,000÷47=1,276,596円(減価償却費)です。

2.不動産投資による収入を計算する
不動産投資による収入は、賃貸料だけでなく以下の項目も含まれます。

・名義書換料や承諾料、更新料、頭金などの名目で受領するもの
・敷金や保証金などのうち返還を必要としないもの
・共益費などの名目で受け取る電気代や水道代、掃除代など

3.不動産所得を計算して確定申告を行う
不動産所得は、以下の式で計算します。

不動産所得=総収入金額-必要経費

必要経費が総収入金額を上回って赤字が発生した場合は、損益通算で給与所得と相殺しましょう。
なお、各種所得控除を適用することでより高い節税効果を見込めます。
(不動産所得の損失と土地等に係る負債利子の金額のうち、いずれか少ない金額は損益通算できません)

不動産投資で最大限に節税効果を得るには、正確に計算・申告することが重要です。
少しでも不安に感じるなら、税理士に相談したほうがよいかもしれません。

不動産投資で節税するなら中古物件がよい

中古物件は新築物件より耐用年数が短く設定されているため、中古物件のほうが高い節税効果を見込めます。
なぜなら、同じ金額の建物であれば耐用年数が短いほど、多額の減価償却費を計上できると考えられるからです。

中古物件の耐用年数は、法定耐用年数を用いて以下のように計算します。

法定耐用年数の全部を経過した資産法定耐用年数の20%に相当する年数
法定耐用年数の一部を経過した資産(法定耐用年数-経過した年数)+経過年数の20%に相当する年数

※1年未満の端数は切り捨て、また年数が2年に満たない場合は2年

なお、新築物件は法定耐用年数をそのまま適用します。
建物の構造ごとに定められた法定耐用年数は、以下の通りです。

建物の構造法定耐用年数
木造・合成樹脂造22年
木骨モルタル造20年
鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造47年
レンガ造・石造・ブロック造38年
金属造4mmを超えるもの:34年
3mmを超え4mm以下のもの:27年
3mm以下のもの:19年

※住宅用のもの

中古物件は新築物件よりも価格が安い傾向にあるため、初期投資の金額を抑えられるのもメリットです。
一方で、建物の修繕は中古物件のほうが早期に発生する可能性が高い点には注意しましょう。

とはいえ、入居者が決まらなければ実際の赤字につながるため、物件を選ぶ際は資産性収益性を重視して判断することが重要です。

税金対策に不動産投資を行う際の注意点

チェックポイント

ここからは、税金対策に不動産投資を行う際の注意点を紹介します。

節税目的のみの不動産投資は避ける

不動産投資の目的は節税ではなく、本来は資産形成収益確保です。
節税効果を得られても一時的かつ、実際に自分が費用を負担する必要があることを留意しておきましょう。
他の投資方法と同じく、リスクを把握したうえで始めることが重要です。

不動産の売却は適切なタイミングで行う

耐用年数を大幅に超えた物件は需要が減少する一方、売却が早すぎても譲渡所得税の負担が増えます。
そのため、不動産投資を始める前に売却までを想定することが重要です。
不安点や疑問点があれば、あらかじめ税理士に相談しておくとよいでしょう。

不動産投資以外の税金対策も取り入れる

税金対策は不動産投資以外にもさまざまな選択肢があるため、より税負担を軽減するためには他の方法も積極的に取り入れるべきと言えます。
とはいえ、個人によって適した方法は異なるため、税理士に状況を踏まえたアドバイスをもらうとよいでしょう。

不動産投資×税金対策に関するよくある疑問

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ここからは、不動産投資での税金対策に関するよくある質問に答えます。

不動産投資は年収いくらから検討すべき?

不動産投資は、年収が1,200万円を超えたら検討してもよいでしょう。
なぜなら、税負担が重いほど節税効果は高くなるからです。

とはいえ、年収や状況によって最適な税金対策は異なるため、悩んだら税理士に相談してみましょう。

不動産投資が節税にならないと言われる理由は?

先述の通り、不動産投資は損益通算により給与所得と相殺することで節税できる仕組みで、そもそも赤字が発生しなければ損益通算を行えないためです。
また、不動産投資による節税効果は永久的に続かないことも、不動産投資が節税にならないと言われる理由と考えられます。

不動産投資は、税金対策だけでなく資産形成と両面で検討しましょう。

不動産投資で失敗する可能性はある?

不動産投資を行えば、必ずしも計画通りの節税効果を得られるとは限りません。
メリットだけでなくデメリットも理解したうえで、検討することが重要です。

また、税理士に相談してシミュレーションしてもらうのもよいでしょう。

税金対策での不動産投資は「税理士法人吉本事務所」へ

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税金対策での不動産投資を検討している方は、税理士法人吉本事務所にお任せください。
お客様一人ひとりのご状況やご要望に合わせて、最適な税金対策をご提案いたします。

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なお、お見積り・ご相談は無料で受け付けておりますので、些細なことでもお気軽にお聞かせください。

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まとめ

不動産投資には、「所得税・住民税」「相続税」「贈与税」「法人税」と4つの節税効果があります。
年収が1,200万円を超えるサラリーマンは、資産形成を兼ねて検討するとよいでしょう。

なお、節税目的のみの不動産投資はおすすめしません。
節税効果を得られても一時的かつ、実際に自分が費用を負担する必要があるためです。
個人によって最適な税金対策は異なるため、悩んだら税理士に相談してみましょう。

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