不動産(土地や建物、分譲マンション)の売却譲渡の確定申告を京都の税理士が解説!ふるさと納税は年内に
不動産の売却時は納税額が大きくなる場合もあるため、より多くのお金を手元に残すための税金対策が重要です。
とはいえ、「どのような方法があるのか」「より有効な方法はどれか」と疑問に思う方も多いでしょう。
本記事では、不動産売却に有効な15の税金対策を解説します。
特別控除・特例やふるさと納税も説明しているので、不動産の売却を検討している方はぜひ参考にしてください。
ふるさと納税は売却した年中のものが効果があるので早めの対策が必要です。
<この記事の監修者> 吉本 貴幸(よしもと たかゆき) 税理士法人吉本事務所 代表社員 税理士・行政書士 大学卒業後、1998年に現在の税理士法人の前身である個人税理士事務所に入所。2021年10月より現職。法人、個人事業のクライアントや相続税、贈与税の申告に関わる一方、税理士法人関連会社の社会保険労務士事務所、行政書士事務所、保険代理店のマネージメントにも携わる。経営に関する総合的な知識のもと、税務申告のみならず、事業運営・起業・法人設立のアドバイスも得意とする。税理士法人関連7サイトの総編集長・監修者として、最新の税務情報発信に務めている。 |
不動産の売却時にかかる税金
不動産を売却すると、「印紙税」「登録免許税」「譲渡所得税」と3つの税金がかかります。
「譲渡所得税」をまず紹介し、「印紙税」「登録免許税」は後ほど紹介します。それぞれが発生するタイミングも併せて確認しましょう。
譲渡所得税
譲渡所得税とは、土地や建物などをはじめとする資産を譲渡することで生じた所得(譲渡所得)に対して課される税金のことです。
「所得税」「復興特別所得税」「住民税」をまとめて「譲渡所得税」と呼び、確定申告を行う際に発生します。
譲渡所得税の計算式は、以下の通りです。
譲渡所得税=(収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額 )×税率 |
税率は売却する不動産を所有していた期間によって異なり、長期譲渡所得が15%で、短期譲渡所得が30%と定められています。
長期譲渡所得 | 譲渡した年の1月1日現在で所有期間が5年を超える場合 |
短期譲渡所得 | 譲渡した年の1月1日現在で所有期間が5年以下の場合 |
また、復興特別所得税と住民税の税率は、以下の通りです。
復興特別所得税率 | 2.1%(所得税に対して) |
住民税率 | 長期譲渡所得:5% |
短期譲渡所得:9% |
なお、譲渡所得税は分離課税制度が採用されており、他の所得とは合算しません。
不動産の売却時は納税額が大きくなる場合もあるため、税金対策を十分に検討すべきと言えます。
発生するタイミングの違いに注意
上記の税金は発生するタイミングが異なるため、あらかじめ把握しておきましょう。
税金 | 発生するタイミング |
---|---|
印紙税 | 売買契約時 |
登録免許税 | 引き渡し時 |
譲渡所得税 | 確定申告時(引渡日または契約の効力発日の翌年) |
復興特別所得税 | 確定申告時(引渡日または契約の効力発日の翌年) |
住民税 | 確定申告の同年6月以降 |
原則、確定申告は不動産を売却した翌年の2月16日から3月15日までに行います。
不動産売却に有効な6つの税金対策
ここからは、不動産売却に有効な6つの税金対策を解説します。
節税できればより多くのお金が手元に残るため、不動産の売却によって利益を得た場合は積極的に取り入れましょう。
1.実際の取得費を把握する
先述の通り、譲渡所得税は以下の計算式で求めます。
譲渡所得税=(収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額 )×税率 |
税額を計算するにはそれぞれの費用を明確にする必要があり、なかでも取得費は実際の金額を把握しましょう。
なぜなら、取得費が不明な場合は「売却金額の5%」が取得費として計算されるからです。
「売却金額の5%」は実際の金額より少なくなる場合が大半のため、まずは取得費が記載されている書面を探して節税効果を引き出しましょう。
なお、取得費が記載されている書面は、購入時の売買契約書が基本です。
マイホームの場合で建物部分の取得費しか確認できないという場合は、建物部分だけでも問題ありません。
もし売買契約書が見当たらなければ、以下の方法を検討しましょう。
ただし、税務署や税理士に相談したうえで使用してください。
1.不動産会社や売主から売買契約書の写しをもらう 2.通帳の出金履歴から推測する 3.住宅ローンの金銭消費貸借契約書から推測する 4.抵当権設定額から推測する 5.市街地価格指数から土地の取得費を算定する 6.着工建築物構造別単価から建物の取得費を算定する |
2.取得費を漏れなく加算する
不動産の取得費には、以下の費用が含まれます。
・売却した土地や建物の購入費・建築費 ・購入手数料 ・設備費 ・改良費 ・購入時の登録免許税、不動産取得税、特別土地保有税(取得分)、印紙税など |
上記以外にも状況に応じて取得費として認められる費用があるため、漏れなく加算することが重要です。
なお、建物や設備、改良費のような時の経過により減価する資産は、所有期間に応じた減価償却費相当額を差し引いた残りの金額が取得費となります。
3.譲渡費用を正確に計算する
譲渡費用とは、土地や建物を売却するために支払った費用のことです。
譲渡所得税は収入金額から取得費と譲渡費用の合計額を差し引くため、譲渡費用は正確に計算しましょう。
譲渡費用に含められる費用は、以下が挙げられます。
・仲介手数料 ・売主が負担した印紙税 ・借家を売却する際に支払った立退料 ・土地を売却する際に支払った建物の取壊し費用と建物の損失額 ・すでに売買契約を締結している資産をさらに有利な条件で売るために支払った違約金など |
なお、不動産の維持・管理の費用や売却した代金を取り立てる際の費用などは認められません。
4.特別控除や特例を適用する
不動産の売却時は、状況に応じて特別控除や特例を適用できます。
さまざまな制度が設けられているため、該当するかどうかを確認してさらに節税効果を引き出しましょう。
不動産売却の特別控除・特例は、以下が挙げられます。
・マイホームの3,000万円特別控除 ・10年超所有軽減税率の特例 ・空き家の3,000万円特別控除 ・居住用財産の買換え特例 ・事業用財産の買換え特例 ・平成21~22年に取得した土地等の1,000万円特別控除 ・低未利用土地の100万円特別控除 ・取得費加算の特例 |
具体的な制度の概要は、後ほど詳しく解説します。
5.税率が下がるタイミングで売却する
先述の通り、税率は売却する不動産を所有していた期間によって異なり、長期譲渡所得が15%で、短期譲渡所得が30%です。(復興特別所得税と住民税を合わせると、それぞれ20.315%と39.63%)
要するに、不動産は保有期間が5年を超えてから売却したほうが節税できると言えるでしょう。
また、マイホームの場合は所有期間が10年を超えると「10年超所有軽減税率の特例」が適用できる場合もあります。
とはいえ、築年数が経過すれば売却しにくくなる恐れもあるため、適切なタイミングを見極めることが重要です。
6.ふるさと納税を活用する
ふるさと納税を利用すると、寄付額から2,000円を差し引いた残りの金額が寄付をした年分の所得税・住民税から控除できます。
納税した分が控除される仕組みであることから厳密には税金対策とは言えませんが、各自治体の返礼品を受け取れるお得な制度です。
不動産の売却によって利益を得た場合は控除限度額が大幅に増えるケースが多いため、普段は選べないような返礼品を受け取れるでしょう。
注意すべき点は、ふるさと納税はその譲渡があった年中にふるさと納税を完結しなければなりません。
(例えば、令和6年度中に土地等の譲渡がある場合で、その譲渡益にふるさと納税を活用するためには令和6年度中にふるさと納税を完結しなければならず、令和7年のふるさと納税では効果がありません)
そのため、令和6年のふるさと納税の控除上限額(ふるさと納税が全額控除される年間上限です。それを超えた金額については、全額控除の対象となりません)を知るためには、令和6年中に譲渡所得とその他の給与所得などを合算し、令和6年中に所得税の計算をしなければなりません。
譲渡所得の計算は思ったよりも複雑で手間がかかる場合が多いです。
土地や家を売却し譲渡益が出そうな場合で、ふるさと納税を活用したときは、できるだけ早くお問合わせ下さい。
弊社へ土地・建物の譲渡に係る確定申告の作成依頼された方には譲渡所得の計算から、ふるさと納税限度額までをご案内致します。
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特別控除・特例を適用した8つの税金対策
ここからは、不動産売却の特別控除・特例を8つ解説します。
売却時の状況と照らし合わせて、適用の要件を確認しましょう。
マイホームの3,000万円特別控除
マイホームを売却した場合は、要件を満たせば譲渡所得から最高3,000万円まで控除できます。
なお、正しくは「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」と言います。
適用を受けるための主な要件は、以下の通りです。
1.自分が住んでいる家屋または家屋とその敷地や借地権を売却すること (以前に住んでいた家屋や敷地などの場合は、住まなくなった日から3年後の12月31日までに売却すること) 2.売却した年または前年・前々年にマイホームの買換えや交換の特例を適用していないこと 3.売却した家屋や敷地などに他の特例を適用していないこと 4.災害により滅失した家屋の場合は、住まなくなった日から3年後の12月31日までに売却すること 5.売主と買主が親子や夫婦など特別な関係でないこと |
また、以下のような場合は対象から外れるため、注意しましょう。
・この特例の適用だけを目的として入居したと認められる場合 ・居住用家屋を新築する期間中の仮住まいとして使用した場合 ・一時的な目的で入居したと認められる場合 ・別荘など主として趣味や娯楽、保養のために所有した場合 |
要件の詳細は、国税庁のホームページで確認できます。
マイホームの3,000万円特別控除
10年超所有軽減税率の特例
10年以上所有したマイホームを売却した場合は、要件を満たせば長期譲渡所得の税額を通常よりも低い税率で計算できます。
適用を受けるための主な要件は、以下の通りです。
1.自分が住んでいる家屋または家屋とその敷地を売却すること (以前に住んでいた家屋や敷地などの場合は、住まなくなった日から3年後の12月31日までに売却すること) 2.売却した年の1月1日時点で売却した家屋や敷地の所有期間がともに10年を超えていること 3.売却した年の前年・前々年にこの特例を適用していないこと 4.売却した家屋や敷地にマイホームの買換えや交換の特例など他の特例を適用していないこと (マイホームの3,000万円特別控除とこの特例は併用可能) 5.売主と買主が親子や夫婦など特別な関係でないこと |
また、税率は以下のように軽減されます。
課税長期譲渡所得金額 | 税額 |
---|---|
6,000万円以下 | 課税長期譲渡所得金額×10% |
6,000万円超 | (課税長期譲渡所得金額-6,000万円)×15%+600万円 |
なお、課税長期譲渡所得金額とは、以下の計算式で求めた金額です。
課税長期譲渡所得金額=不動産を売却した収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除 |
適用を受けるための詳しい要件は、国税庁のホームページで確認できます。
10年超所有軽減税率の特例
空き家の3,000万円特別控除
相続や遺贈により取得した被相続人居住用家屋または敷地等を売却した場合は、一定の要件を満たせば譲渡所得から最高3,000万円まで控除できます。
正しくは、「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」と言い、平成28年4月1日から令和9年12月31日までに売却した場合が適用の対象です。
なお、被相続人居住用家屋とは、被相続人が生前に住んでいたかつ以下に該当する家屋を指します。
・昭和56年5月31日以前に建築された家屋 ・区分所有建物登記がされていない家屋 ・相続開始の直前に被相続人以外の人が住んでいなかった家屋 |
適用を受けるための主な要件は、以下の通りです。
1.売却した人が相続や遺贈により被相続人居住用家屋または敷地等を取得したこと 2.以下の①または②のいずれかを売却したこと ①相続や遺贈により取得した被相続人居住用家屋または家屋とその敷地等を売却すること (家屋については一定の耐震基準を満たす必要があります) ②相続や遺贈により取得した被相続人居住用家屋を取壊してその敷地等を売却すること 3.相続開始の日から3年後の12月31日までに売却すること 4.売却代金が1億円以下であること 5.売却した家屋や敷地等に他の特例を適用していないこと 6.同一の被相続人から相続や遺贈により取得した被相続人居住用家屋または敷地等にこの特例を適用していないこと 7.売主と買主が親子や夫婦など特別な関係でないこと |
(令和5年改正で、売却後に被相続人居住用家屋の耐震基準または取壊しを行なった場合も適用されることとなりました)
要件の詳細は、国税庁のホームページで確認できます。
空き家の3,000万円特別控除
居住用財産の買換え特例
マイホームを売却して買換えた場合は、一定の要件を満たせば課税を一時的に繰り延べられます。
売却した金額より新たに購入した金額のほうが大きい場合に適用することで、買換え時の税負担が軽減できる仕組みです。
ただし、令和5年12月31日までの売却に限られます。
また、譲渡益が控除されるわけではないため、「マイホームの3,000万円特別控除」とは異なる点に注意が必要です。
適用を受けるための詳しい要件は、国税庁のホームページで確認できます。
居住用財産の買換え特例
事業用財産の買換え特例
収益物件を売却して買換えた場合は、一定の要件を満たせば課税を一時的に繰り延べられます。
売却した金額より新たに購入した金額のほうが大きい場合は、売却した金額に20〜30%をかけた額を収入金額として譲渡所得が計算される仕組みです。
反対に少ない場合は、差額と新たに購入した金額に20〜30%をかけた額の合計額を収入金額として計算します。
なお、適用の対象は令和8年3月31日までの売却です。
適用を受けるための要件や譲渡資産と買換資産の組み合わせなど細かく設定されているため、国税庁のホームページで確認しましょう。
事業用財産の買換え特例
平成21~22年に取得した土地等の1,000万円特別控除
個人が平成21〜22年に取得した土地や権利を平成27年以降に売却した場合は、一定の要件を満たせば譲渡所得から最高1,000万円まで控除できます。
譲渡所得の金額が1,000万円に満たなければ、その金額が控除額です。
適用を受けるには、平成21年1月1日から平成22年12月31日までに取得していることに加えて、平成21年に取得した場合は平成27年以降に、平成22年に取得した場合は平成28年以降に売却することなどの要件を満たす必要があります。
他にも要件が設定されているため、国税庁のホームページで確認しましょう。
平成21~22年に取得した土地等の1,000万円特別控除
低未利用土地の100万円特別控除
個人が都市計画区域内にある一定の低未利用土地等を800万円以下で売却した場合は、一定の要件を満たせば譲渡所得から最高100万円まで控除できます。
譲渡所得の金額が100万円に満たない場合は、その金額が控除額です。
なお、低未利用土地等とは、居住または事業の用やその他の用途に利用されていないと認められる土地や権利を指します。
適用を受けるための要件は、以下の通りです。
・売却した土地等が都市計画区域内にある低未利用土地等であること ・売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えること ・売主と買主が親子や夫婦など特別な関係でないこと ・売却した金額が800万円以下であること(低未利用土地等の上にある建物等の対価を含める) ・売却した後にその低未利用土地等が利用されること ・前年・前々年に低未利用土地等を分筆した土地や権利にこの特例を適用していないこと ・売却した土地等に他の特例を適用していないこと |
(令和5年改正で、対象となる土地からいわゆるコインパーキングが除外されました)
ただし、令和2年7月1日から令和7年12月31日までの売却に限られます。
特例の詳細は、国税庁のホームページで確認しましょう。
低未利用土地の100万円特別控除
取得費加算の特例
相続や遺贈により取得した不動産を売却した場合に、相続税額のうち一定金額を譲渡資産の取得費に加算できます。
相続税との二重課税を防ぐための特例で、譲渡所得を抑えることにより節税効果が得られます。
適用を受けるための要件は、以下の通りです。
1.相続や遺贈により財産を取得した者であること 2.財産を取得した者に相続税が課されていること 3.その財産を相続開始の翌日から相続税申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡していること |
なお、「マイホームの3,000万円特別控除」や「居住用財産の買換え特例」とは併用できますが、「空き家の3,000万円特別控除」とは併用不可である点に注意しましょう。
特例の詳細は、国税庁のホームページで確認できます。
取得費加算の特例
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譲渡損失が発生した場合の税金対策
ここからは、不動産の売却によって損失が発生した場合の税金対策を解説します。
マイホームを買換えた場合
マイホームの買替え時に損失が発生した場合は、一定の要件を満たせば「マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」の適用を受けられます。
たとえば、給与所得が700万円の人が不動産の売却で1,000万円の譲渡損失を発生させた場合は、損益通算により所得が-300万円(700万円-1,000万円)となり、源泉徴収額の還付を受けられます。
さらに、繰越控除によって残りの-300万円を翌年の給与所得と相殺できる仕組みです。
適用を受けるための詳しい要件は、国税庁のホームページで確認しましょう。
マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
住宅ローンが残っている場合
住宅ローンが残っているマイホームの売却金額が住宅ローンの残高を下回る場合は、「特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」を適用できる場合があります。
仕組みは上記の特例と同じで、一定の要件を満たせば損益通算で給与所得や事業所得など他の所得と相殺できるうえ、相殺しきれない部分は翌年以後3年まで繰り越せます。
また、新たにマイホームを購入しない場合にも適用できる特例です。
売買契約日の前日時点での残高から売却金額を差し引いた残りの部分が損益通算の限度額となるため、マイホームを買換える際は上記の特例(マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)が有利と言えるでしょう。
適用を受けるための詳しい要件は、国税庁のホームページで確認できます。
特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
譲渡所得税以外の不動産の売却時にかかる税金
印紙税
印紙税とは、経済取引にて作成する契約書や金銭の受取・領収書などに課される税金のことです。
20種類の文書が課税の対象(課税文書)で、売買契約書を作成する際にも発生します。
記載された契約金額によって税額が異なり、売買契約書を2部作成した場合はそれぞれに印紙が必要です。
契約金額ごとの印紙税額は、以下を参考にしましょう。
【不動産等の譲渡に関する契約書(第1号の1文書)】
記載された契約金額 | 印紙税額 |
---|---|
50万円以下 | 200円 |
50万円超 100万円以下 | 500円 |
100万円超 500万円以下 | 1,000円 |
500万円超 1,000万円以下 | 5,000円 |
1,000万円超 5,000万円以下 | 1万円 |
5,000万円超 1億円以下 | 3万円 |
1億円超 5億円以下 | 6万円 |
5億円超 10億円以下 | 16万円 |
10億円超 50億円以下 | 32万円 |
50億円超 | 48万円 |
なお、平成9年4月1日~令和6年3月31日までに作成される「不動産の譲渡に関する契約書」は、印紙税額が軽減されています。
また、記載された契約金額が10,000円未満の契約書は非課税です。
登録免許税
登録免許税とは、不動産の登記に対して課される税金のことです。
売主は「抵当権抹消登記」の手続きが必要で、不動産を引き渡す際に発生します。
抵当権抹消登記は、住宅ローンの返済が滞った場合に備えて不動産を担保に設定された抵当権を抹消するもので、住宅ローンを利用していない場合は手続きも不要です。
登録免許税額は、以下の通りに定められています。
登録免許税額 |
---|
不動産1つにつき1,000円 ※土地1つと建物1つの計2つを1件として申請する場合は2,000円 |
なお、所有権移転登記は不動産の所有権が買主へ移転したことを証明するもので、一般的に買主が費用を負担して手続きを行います。
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まとめ
不動産売却で利益を得た場合も損失が発生した場合も、税金対策によって税負担を軽減できる可能性があります。
とはいえ、最大の節税効果を引き出すには、多様な方法の中から「どれを取り入れるべきか」「より有効な方法はどれか」を見極めることが重要です。
税務のプロである税理士への相談や依頼も視野に入れつつ、最適な税金対策を検討しましょう。