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コラム

【税理士監修|相続手続きの期限一覧表】必要な手続きから手続きをしなかった場合のリスクまで解説

相続 期限

相続が発生すると同時にあらゆる手続きを進めなければならず、慣れない手続きに不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、相続手続きの期限を一覧で解説します。
期限を過ぎると金銭的にも労力的にも負担が増える場合があるため、必要な手続きに応じて専門家への依頼も視野に入れ、着実に進めましょう

監修者(吉本貴幸)<この記事の監修者>
吉本 貴幸(よしもと たかゆき)
税理士法人吉本事務所
代表社員 税理士・行政書士
大学卒業後、1998年に現在の税理士法人の前身である個人税理士事務所に入所。2021年10月より現職。法人、個人事業のクライアントや相続税、贈与税の申告に関わる一方、税理士法人関連会社の社会保険労務士事務所、行政書士事務所、保険代理店のマネージメントにも携わる。経営に関する総合的な知識のもと、税務申告のみならず、事業運営・起業・法人設立のアドバイスも得意とする。税理士法人関連7サイトの総編集長・監修者として、最新の税務情報発信に務めている。

相続手続きの期限がわかる一覧表

相続手続きの期限は、以下の通りです。

手続きの期限手続きの内容
相続発生から7日以内・死亡届
相続発生から10日以内・年金の受給権者死亡届
相続発生から14日以内・世帯主変更届
・国民健康保険・後期高齢者医療制度の資格喪失届
相続発生から3か月以内・相続放棄・限定承認の申述
相続発生から4か月以内・準確定申告
相続発生から10か月以内・相続税の申告・納付
相続発生から1年以内・遺留分侵害請求
相続発生から2年以内・高額療養費の申請
・葬祭費・埋葬費の申請
相続発生から3年以内・相続登記の申請
・死亡保険金の請求


次章から、時系列に沿って解説します。

相続発生から【7日以内】が期限の手続き

・死亡届(火葬許可証の申請)


<ポイント!>
相続発生から7日以内を目安に、遺言書の有無も確認しましょう。
遺言書がある場合は、原則として内容に従って遺産分割をする必要があるためです。

死亡届(火葬許可証の申請)

引用:法務局


死亡診断書を受け取り、死亡の事実を知った日から7日以内に死亡届を提出します。
葬儀屋が代行するケースが一般的ですが、自分で提出する場合は死亡した人の死亡地または本籍地、届出人の所在地の市区町村役場が提出先です。

なお、死亡届の提出と同時に火葬許可証を申請します。
死亡届を提出することで火葬許可証が発行される場合は申請不要です。

また、死亡届は今後の手続きで必要となる場合があるため、5枚ほどコピーしておきましょう。

期限死亡の事実を知った日から7日以内
提出先死亡した人の死亡地または本籍地、届出人の所在地の市区町村役場

相続発生から【10日以内】が期限の手続き

・年金の受給権者死亡届

年金の受給権者死亡届

受給権者死亡届(報告書)

引用:日本年金機構


死亡した人が年金を受給していた場合は、年金事務所または年金相談センターへ受給権者死亡届を提出します。
期限は、厚生年金が死亡した日から10日以内で、国民年金が死亡した日から14日以内です。
必要に応じて、未支給年金や遺族年金等の手続きも進めるとよいでしょう。
なお、日本年金機構にマイナンバーが登録されている場合は提出不要です。

期限厚生年金が死亡した日から10日以内
国民年金が死亡した日から14日以内
提出先年金事務所または年金相談センター

相続発生から【14日以内】が期限の手続き

・世帯主変更届
・国民健康保険・後期高齢者医療制度の資格喪失届

世帯主変更届

世帯主変更届は、世帯構成を変更するための手続きです。
世帯主が死亡した場合は、世帯主が死亡した日から14日以内に居住地の市区町村役場へ世帯主変更届(住民異動届)を提出します。
※届出の様式は地域によって異なります。

なお、世帯に15歳以上の人が2人以上いる場合に必要な手続きで、該当しない場合は提出不要です。

期限世帯主が死亡した日から14日以内
提出先居住地の市区町村役場

国民健康保険・後期高齢者医療制度の資格喪失届

死亡した人が国民健康保険または後期高齢者医療制度に加入していた場合は、死亡した日から14日以内に死亡した人が住んでいた市区町村役場へ資格喪失届を提出します。
※届出の様式は地域によって異なります。

死亡届を提出することで資格喪失届の提出が不要な場合もありますが、保険証の返却は必要です。
また、葬祭費として約5万円(地域により異なる場合がある)を受け取れるため、併せて手続きするとよいでしょう。

死亡した人が65歳以上、または40歳以上65歳未満で要介護(要支援)認定を受けていた場合は、介護保険も同様の手続きが必要です。

期限死亡した日から14日以内
提出先死亡した人が住んでいた市区町村役場

相続発生から【3か月以内】が期限の手続き

・限定承認・相続放棄の申述


<ポイント!>
相続発生から3か月以内を目安に、相続人や財産の調査も進めましょう。
相続人や財産が確定したら遺産分割協議に移ります。

限定承認・相続放棄の申述

限定承認の申述書

引用:裁判所


相続が発生すると、相続人は以下のいずれかを選択する必要があります。

単純承認プラスの財産とマイナスの財産をすべて相続すること
限定承認プラスの財産の範囲でマイナスの財産を相続すること
相続放棄プラスの財産とマイナスの財産をすべて放棄すること


単純承認に手続きは不要ですが、限定承認または相続放棄を選択する場合は、相続が開始した日から3か月以内に死亡した人の最後の住所地の家庭裁判所へ申述書を提出します。
期限を過ぎると限定承認や相続放棄は選択できないため、事前に相続人や財産を調査したうえで判断しなければなりません。

期限相続が開始した日から3か月以内
提出先死亡した人の最後の住所地の家庭裁判所

相続発生から【4か月以内】が期限の手続き

・準確定申告

準確定申告

引用:国税庁


準確定申告とは、死亡した人が確定申告の対象者である場合に、相続人が代わりにする確定申告のことです。
死亡した日の翌日から4か月以内に、所轄の税務署へ所得税の申告・納付をする必要があります。
なお、相続人が2人以上いる場合は全員で手続きします。

期限死亡した日の翌日から4か月以内
提出先所轄の税務署


準確定申告について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
準確定申告を税理士が詳しく解説

相続発生から【10か月以内】が期限の手続き

・相続税の申告・納付

相続税の申告・納付

相続税の申告書

引用:国税庁


相続税がかかる場合は、死亡した日の翌日から10か月以内に、死亡した人の住所地を管轄する税務署へ申告・納付します。
期限を過ぎると延滞税がかかる点に注意しましょう。

期限死亡した日の翌日から10か月以内
提出先死亡した人の住所地を管轄する税務署


なお、申告以外に特別な期限はありませんが、相続発生から3か月以内には申告に向けて以下の流れで準備が必要です。

1.法定相続人を確認する
2.遺言書の有無を確認する
3.相続財産を確認する
4.相続財産を評価する
5.遺産分割協議を行う
6.相続税の申告・納付を行う


相続税の申告について詳しく知りたい方は、以下の記事で解説しています。
相続税申告の基本を税理士が詳しく解説

相続発生から【1年以内】が期限の手続き

・遺留分侵害請求

遺留分侵害請求

遺留分侵害請求

引用:裁判所


遺留分侵害請求とは、遺留分(法的に定められた最低限の相続分)を侵害した相続人に侵害額を請求することです。
たとえば、特定の相続人にとって不公平な遺言が残されており、遺留分が侵害された場合は遺留分侵害請求によって侵害額を取り戻せます。
期限は、相続発生または遺留分の侵害を知った日から1年以内で、相続発生から10年経過した場合にも請求権が消滅する点に注意しましょう。

期限相続発生または遺留分の侵害を知った日から1年以内(相続発生から10年)
提出先請求相手の住所地の家庭裁判所または当事者の合意で定めた家庭裁判所

相続発生から【2年以内】が期限の手続き

・高額療養費制度の申請
・葬祭費・埋葬費の申請

高額療養費制度の申請

高額医療費制度とは、1か月の医療費が一定の金額を超えた場合に、超えた金額が払い戻される制度のことです。
制度を利用する場合は、診療を受けた月の翌月の初日から2年以内に申請しましょう。
※申請書の様式は保険の種類や地域ごとに異なります。

なお、年齢や所得によって1か月の医療費の上限額が変わります。

期限診療を受けた月の翌月の初日から2年以内
提出先死亡した人が加入していた公的医療保険(国民健康保険・被用者保険・後期高齢者医療制度)

葬祭費・埋葬費の申請

公的医療保険(国民健康保険・被用者保険・後期高齢者医療制度)は、死亡した人の葬祭・埋葬をする人に対して葬祭費または埋葬費を支給しています。
葬祭・埋葬をした日の翌日から2年以内が期限で、申請により約5万円を受け取れます。
※申請書の様式は保険の種類や地域ごとに異なります。

なお、保険の種類によって金額や期限など内容がやや異なるため、加入先へ事前に確認しましょう。

期限葬祭・埋葬をした日の翌日から2年以内
提出先死亡した人が加入していた公的医療保険(国民健康保険・被用者保険・後期高齢者医療制度)

相続発生から【3年以内】が期限の手続き

・相続登記の申請
・死亡保険金の請求

相続登記の申請

引用:法務局


相続登記は、相続した不動産の名義を変えるための手続きです。
令和6年4月1日に義務化が開始されたため、不動産を相続した方は相続した日から3年以内に、不動産の所在地を管轄する法務局に申請が必要となりました。
期限を過ぎると10万円以下の過料が科される場合があります。

期限不動産を相続した日から3年以内
提出先不動産の所在地を管轄する法務局

死亡保険金の請求

死亡した人が死亡保険・生命保険に加入していた場合は、死亡した日から3年(かんぽ生命は5年)以内に保険金を請求しましょう。
保険会社ごとに必要書類が異なりますが、加入先に連絡すると請求内容に合わせた案内を受けられます。

期限死亡した日から3年(かんぽ生命は5年)以内
提出先死亡した人が加入していた保険会社

相続手続きをしなかったらどうなる?

注意マーク


期限が定められているにもかかわらず、相続手続きをしなかった場合は以下のようなリスクがあります。
金銭的にも労力的にも負担が増えるため、期限内に手続きを進めてください。

相続税の軽減制度を適用できない

相続税は、軽減制度の適用により税額を下げられる場合があります。
主な軽減制度は以下の通りです。

・基礎控除
・配偶者の税額軽減
・未成年者の税額控除
・障害者の税額控除
・相次相続控除
・贈与税額控除
・小規模宅地等の特例
・農地の納税猶予の特例
・特定計画山林の特例 など


ただし、期限内に申告しなければ適用できないものもあるため、相続税がかかる場合は注意しましょう。
なお、相続税は遺産総額が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えない場合はかかりません。

詳しくは、以下の記事で解説しています。
相続税申告の基本を税理士が詳しく解説

ペナルティが加算される場合がある

相続税の申告期限を過ぎると延滞税が課されたり、相続登記の申請期限を過ぎると10万円の過料が科されたりなど、ペナルティが加算される場合があります。
余計な負担が増えないよう、計画的に手続きを進めることが大切です。

なお、専門家に依頼したい場合は、相続税に関する内容は税理士に、相続登記に関する内容は司法書士を頼りましょう。
専門家ごとに対応できる範囲が異なるためです。

次の相続が発生する可能性がある

なかには手続きの途中で相続人が死亡してしまい、次の相続が発生するケースがあります(数次相続)。
権利関係が複雑になり手続きにも影響するため、相続が発生したらできるだけ早く手続きを進めましょう。
何から始めたらよいかわからない方は、専門家に相談するのも一つです。

相続手続きは税理士法人吉本事務所へお任せください

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相続手続きのお困りごとや煩雑な手続きのお悩みは、税理士法人吉本事務所へご相談ください
当事務所には相続専門の税理士をはじめ、社会保険労務士行政書士保険外交員が在籍しており、相続税がかかる場合はもちろん、かからない場合の手続きも幅広くお受けしています。
どのように手続きを進めればよいかわからない場合も、親身に、かつ総合的にサポートいたしますのでどうぞご安心ください。

なお、相続税のご相談は初回無料で承っています。
些細なことでも、まずは税理士法人吉本事務所までお気軽にお問い合わせください。


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まとめ

相続手続きは、原則として期限内に終えなくてはなりませんが、相続人や財産が多ければ円滑に進まない場合があります。
期限を過ぎるとペナルティが加算される場合があるほか、手続きを後回しにしている間に次の相続が発生してしまう可能性もあるため、相続が発生したら計画性と余裕をもって手続きを進めましょう。

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