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コラム

【税理士監修】金は相続税の対象!評価額から金の相続が税務署にバレる理由までわかりやすく解説

金 相続

金地金や金貨など金を相続したときは、相続財産として取り扱います。
なお、金だけでなく経済的価値があるものはすべて相続税の対象です。
本記事では、相続税の対象になる金の種類や財産をはじめ、金の相続税評価額の計算方法を中心に解説します。

また、以下のよくある疑問にもお答えしていきます。
・金の仏壇、仏具、神具などで相続税対策ができる?
・金の相続を隠したら税務署にバレる?

監修者(吉本貴幸)<この記事の監修者>
吉本 貴幸(よしもと たかゆき)
税理士法人吉本事務所
代表社員 税理士・行政書士
1973年生まれ 法学修士。1998年に現在の税理士法人の前身である個人税理士事務所に入所。2021年10月より現職。法人、個人事業のクライアントや相続税、贈与税の申告に関わる一方、税理士法人関連会社の社会保険労務士事務所、行政書士事務所、保険代理店のマネージメントにも携わる。経営に関する総合的な知識のもと、税務申告のみならず、事業運営・起業・法人設立のアドバイスも得意とする。税理士法人関連7サイトの総編集長・監修者として、最新の税務情報発信に務めている。

金を相続したら相続税がかかる

相続が発生すると、金を含めて経済的価値があるものはすべて相続税の対象になります。
よって、被相続人(死亡した人)が亡くなった時点で金を所有していた場合は、金の相続税評価額(相続税を計算するための財産の価額)を計算し、相続財産として取り扱います

相続税の対象になる金の種類は、主に以下の通りです。

・金地金(金の延べ棒、インゴット、ゴールドバー)
・金貨(コイン)
・純金積立
・装飾品(ジュエリー)
・骨董品
・美術品
・祭具(仏壇、仏具、神具などの日常礼拝していないもの)


とはいえ、金を相続したからといって必ずしも相続税がかかるとは限りません。
金を含めた相続財産の合計額が基礎控除額を超えなければ、そもそも相続税はかからないためです。

基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数


金の相続税評価額の計算方法は後ほど解説しますが、何が相続税の対象になるか、相続税がかかるかどうか、などお悩みの方は税理士法人吉本事務所までお気軽にお問い合わせください。


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相続税がかかる財産・かからない財産

先述の通り経済的価値があるものはすべて相続税の対象になりますが、相続財産ではないものの相続税がかかるものや、相続税がかからないものもあります。
相続税がかかる財産かからない財産の具体例をここで確認しておきましょう。

相続税がかかる財産(相続税の対象になる財産)

現金、預貯金、土地、建物、有価証券、宝石、貴金属、貸付金、特許権、著作権、生命保険金、死亡退職金、相続時精算課税適用財産、暦年課税適用財産(被相続人が死亡する前の3~7年以内に贈与を受けた財産)
相続税がかからない財産(相続税の対象にならない財産)

墓地、墓石、仏壇、仏具、神具などの日常礼拝しているもの、公益事業に使われるもの、心身障害者共済制度による給付金を受ける権利、生命保険金や死亡退職金のうち500万円×法定相続人の数の金額、幼稚園事業に使われていたもの(事業を継続する場合)、国、地方公共団体、公益事業を行う特定の法人に寄付したもの

金の仏壇、仏具、神具などで相続税対策ができる?

仏壇、仏具、神具などの日常礼拝しているものには相続税がかからないため、「金の仏壇、仏具、神具を購入すれば相続税が非課税になるのではないか?」と思われるかもしれませんが、投資の対象になるものや商品として所有しているものは非課税になりません

たとえば、被相続人が相続税対策として購入したものや、使われずに自宅で保管されていたものなどです。

実際に日常礼拝しているものでなければ非課税とは認められないため、相続税対策のみを目的に購入することは避けましょう。
また、純粋な金の価値よりも高い価格で購入することになり、たとえ非課税と認められたとしても資産の価値としては損をするリスクも考えられます。

金の相続税評価額の計算方法

金の相続税評価額は、相続が発生した日の金販売業者の買取価格が基準になります。

1gあたりの買取価格×相続した金のg数=金の相続税評価額

※金地金にはg数が刻印されている場合が多い

よって、金販売業者のホームページを確認するか、電話で確認してもよいでしょう。

参考として、田中貴金属の貴金属価格情報のページを紹介します。
以下のページでは日付ごとに過去の価格を確認できますが、相続発生日が土日祝などで価格が公表されていない場合は、相続発生日から最も近い日の価格で計算します。

田中貴金属ホームページ
(電話番号:0120-76-4143)


また、以下のように最も近い日が2日ある場合は、両日の平均値を計算します。

3月19日3月20日3月21日
価格15,000円公表なし価格15,500円
最も近い日相続発生日最も近い日


式に表すと以下の通りです。

(15,000円+15,500円)÷2=17,750円


<注意!>
・最新の価格ではなく相続が発生した日の価格を調べる
・価格が公表されていない場合は相続発生日から最も近い日の価格で計算する
・最も近い日が2日ある場合は両日の平均値を計算する

国内発行金貨の場合

引用:財務省

国内で発行された記念金貨は貨幣として取り扱うため、額面の金額が相続税評価額になります。

【例】
天皇陛下御在位60年100,000円金貨幣→100,000円
皇太子殿下御成婚50000円金貨幣→50,000円

ただし、昭和より前の金貨は骨董品として取り扱うため、次章で解説します。

骨董品の場合

金製の骨董品(美術品やアンティークなど)は、相続が発生した日の時価が相続税評価額になります。
金としてではなく骨董品としての価値を調べる必要があり、売買実例価格または精通者意見価格によって決まります。

売買実例価格同等品が実際に売買されている場合の価格や、買取業者が買取価格として公表している場合の価格のこと
精通者意見価格売買実例価格がない場合の鑑定士による鑑定価格

小さな金製品の場合

装飾品(ジュエリー)のような小さな金製品は、1個または1組の時価が5万円以下であれば、個別に相続税評価額を計算する必要はありません
「家財一式(家庭用財産)〇〇万円」のように一括で取り扱うことができます。

金の相続を隠しても税務署にバレる!

税負担


「自宅の金庫に金を隠しておけば相続税を減らせるのではないか?」
「相続税申告をしなくても税務署にバレないのではないか?」
と考える方がいますが、金を相続したことは必ず税務署にバレます

バレる理由としては以下の通りです。

・税務署は被相続人や相続人の入出金履歴を確認できる
→金を購入したときのお金の動きがバレる

・金地金にはシリアルナンバーが刻印されている
→シリアルナンバーで購入者の情報がバレる

・金の売買には本人確認書類が必要な場合がある
→本人確認書類から購入者の情報がバレる


また、金販売業者は1回の取引金額が200万円を超える場合に、税務署へ支払調書の提出が義務付けられています。
遅かれ早かれ金を売却するときは税務署に把握されるため、相続財産は正確に申告しましょう。

税務署にバレた場合のペナルティ

金を相続したことを隠していて、税務調査で指摘されると、相続税とは別に延滞税加算税が課せられます。
悪質な場合は重加算税が課せられてしまい、本来の相続税額に対して最大で40%の税率が適用されます。

本来の相続税額よりも負担が増えるため、税理士に相談しながら合法的な相続税対策を検討しましょう


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金の相続に必要な手続き

金の現物が手元にある場合は、相続するために必要な手続きはありません
ただし、以下のような現物が手元にない場合は、それぞれの取引先に問い合わせて相続手続きを進めます。

・被相続人が銀行の貸金庫で保管していた
・被相続人が貴金属会社や証券会社で保管していた
・被相続人が証券会社や先物会社で取引していた(金ETF、金投資信託、金先物など)


なお、他の財産の相続手続きと大きくは変わりません。

金を相続するときの注意点

3本の指を立てる男性


金を相続するときは、以下3点に注意しましょう。

相続税の時効まで逃れる方法はない

相続税の時効(除斥期間)は相続税申告の期限の日から原則として5年不正行為があった場合は7年です。
時効が成立する日まで税務署から指摘されなければ、相続税を納める義務はなくなるわけですが、現実は税務署に指摘されるため、時効まで逃れる方法はありません

なお、相続税申告の期限は、被相続人が死亡した日の翌日から10か月以内です。

金を売却すると所得税がかかる場合がある

相続した金を売却して50万円を超える利益を得ると、所得税がかかります
金を売却したときの譲渡所得は、給与所得や事業所得などの他の所得と合わせて所得税を計算します(総合課税)。

譲渡所得の計算方法は、以下の通りです。
なお、所有期間は被相続人が購入してから売却するまでの期間を指します。

所有期間が5年以内の場合(短期譲渡所得)

売却価額-(取得価額+売却費用)-最大50万円=譲渡所得の金額
※取得価額=購入代金
※売却費用=手数料のような売却するためにかかる費用
所有期間が5年を超える場合(長期譲渡所得)

上記の金額の2分の1


取得価額がわからない場合は、売却価額の5%相当額を取得価額として計算するため、本来よりも譲渡所得の金額が高くなる(=所得税が高くなる)場合があります。
取得価額がわかるものが手元にある場合は、処分せずに保管しておきましょう

金の価格は大きく変動する可能性がある

金の価値は長期的に安定しているものの、経済情勢や地政学的な理由などによって大きく変動する可能性があります
また、他にも以下のようなメリット・デメリットがあるため、今後の参考にしてください。

メリット

・長期的に価値が安定している
・インフレに強い
・維持費がかからない
・現金化しやすい など
デメリット

・価格変動がある
・収益は生まない
・売買には手数料がかかる
・売却すると税金がかかる など

金の相続や相続税のご相談は税理士法人吉本事務所へ

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・何が相続税の対象になるかわからない
・相続税がかかるかわからない
・相続税がいくらかかるか知りたい
・相続税を減らすにはどうしたらよいか

などのお悩みは、税理士法人吉本事務所へご相談ください!
当事務所には相続専門の税理士が在籍し、相続税全般のご依頼をお受けしております。
長年の経験と最新の知識を活かした相続税対策に強みがあり、できる限りお客様の負担を軽減できるよう個別にご提案いたします。

また、同じオフィスに行政書士が在籍しており、司法書士や弁護士とも常に連携しているため、相続の手続きやお悩みにも幅広く対応可能です。

相続税のご相談は初回無料でお受けしていますので、些細なことでもまずは当事務所までお気軽にお問い合わせください。


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まとめ

金は相続財産として取り扱うため、相続財産の合計額が基礎控除額を超えたら相続税がかかります。
金を自宅の金庫に隠しておけばバレないように思えますが、必ず税務署にバレるので、相続財産は正確に申告しましょう。
相続税の計算や、申告が必要かどうか、また相続税対策で悩んだら、まずは税理士に相談してみることをおすすめします。

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