企業版ふるさと納税
平成28年度の税制改正により、「企業版ふるさと納税」が創設されています。
個人で行うふるさと納税は広く知られるようになりましたが、「企業版ふるさと納税」はまだまだ認知度が低いようです。
制度の仕組みや注意点をご紹介したいと思います。
1. 制度の仕組み
企業版ふるさと納税に該当する寄付をした場合、従来通り寄付額が全額経費になることに加え、地方税について合わせて30%の税額控除が適用されます。(地方税で控除しきれない場合は一部法人税から控除になります。)
控除額 | 税額控除の上限 | |
法人事業税 | (1) 寄付額の10% | 法人事業税額の20% |
法人住民税 | (2)寄付額の20% | |
・県民税法人税割額から2.9% | 県民税法人税割額の20% | |
・市民税法人税割額から17.1% | 市民税法人税割額の20% | |
法人税 | (3)法人住民税で控除しきれなかった額 | 法人税額の5% |
(寄付額の10%が限度) |
例えば、100万円寄付をした場合、税率30%と仮定すると法人税で30万円、さらに地方税の税額控除で30万円、合計60万円税負担を減らすことができ、実際のキャッシュアウトは40万円で済むというわけです。
ただし、税額控除には上限がある点に注意して下さい。
2. 注意点
・対象となる寄付金は、地方公共団体が国の認定を受けて行う地方創生事業に対して、32年3月31日までに10万円以上支出した場合にのみ限定。
・本社のある地方公共団体への寄付は対象外(本社が京都市なら、京都府・京都市はNG)
・返礼品は基本ない。もし、返礼品を受けた場合には、法人の利益として計上。
3. まとめ
「企業版ふるさと納税」は、個人のふるさと納税のように返礼品や税額控除を考えると結果得するという制度ではありません。キャッシュは確実にマイナスとなりますが、地域を応援したい、興味のある事業を支援したい、そんな気持ちを後押しする制度としてご理解下さい。
(2018年1月記載)
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