知っていますか?固定資産税
昨年の話ですが、武蔵野市が事務所用ビル2棟の固定資産税と都市計画税を18年間で計約2億2,300万円過大徴収していたというニュースがありました。ビルの所有者から開示請求があり、市の担当者が見直したところ間違いが発覚したとのことです。このように、固定資産税は自分で調べて還付請求しなければ、間違っていても気づかずに過ごしてしまう税金です。
今回は、知っているようで意外と知らない固定資産税について、確認しましょう。
1.固定資産税は、毎年1月1日に固定資産を所有している人に課税されます。つまり、新築の場合は1月1日までに完成していれば課税されるため、節税という意味では12月の完成より、1月の完成の方が1年分固定資産税がお得になります。
2.固定資産税の税率は通常1.4%ですが、多くの地域では都市計画税0.3%が一緒に課税されていて、合わせた税率は1.7%になっています。
3.家屋の評価は同じものを再建築した場合の建築費から、経過年数に応じて減価を考慮して評価額を決定します。
4.土地の評価はだいたい地価公示価格(時価)の70%になるように評価されています。
5.小規模住宅用地の軽減特例があり、住宅1戸につき200㎡までは6分の1の土地評価となります。つまり、8世帯のアパートであれば、住宅8戸となり200㎡×8戸=1,600㎡まで土地評価が6分の1になります。この住宅には、老人ホームや社員寮を含みます。住宅なのに、評価額と課税標準が同じときは自治体の課税ミスの可能性が高いです。
また、逆に、住宅を取り壊して駐車場などにした場合には翌年から固定資産税が6倍に跳ね上がるということになるので、ご注意下さい。知らずにびっくりする方も多いです。
6.土地の一部が「公共の用に供する道路」として使われている場合、その部分は固定資産税が非課税となります。建て替えた際などにセットバックをしたにもかかわらず、固定資産税が全ての面積に課税されている場合には、役所に申し出をする必要があります。
7.新築・耐震改修・バリアフリー改修・省エネ改修の建物は固定資産税の軽減特例があります。
8.固定資産税には軽減特例の不適用などの課税ミスが多いと言われています。気づいたときには、評価額については「審査申出」、評価額以外の課税標準や税額については「不服申立」を納税通知書が届いた日から60日以内に手続きをして下さい。
申告課税でないからと無関心でいると、課税ミスに気付かずに損をしてしまうかもしれません。税金の時効は原則5年ですが、自治体の条例で5年以上(10年〜20年)の還付を行う自治体も多くあります。固定資産税の通知書が届いたら一度確認してみて不明な点は役所にお問合せ下さい。
(2018年3月記載)
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